1899について

入札販売会にお邪魔してきました!

皆さん、こんにちは。
GREEN TEA RESTAURANT 1899 OCHANOMIZUのマネージャー宮地です。

本日はお付き合いさせていただいている茶園さんからお誘いいただき、「第42回関東ブロック茶の共進会出品茶入札販売会・第36回FGTCサヤマー2014出品茶入札販売会」にお邪魔してきました。
※FGTC…“Fresh Green Tea Competition”の頭文字。埼玉県茶業青年団(~40歳まで)のことで、埼玉は比較的若い後継者が多い地域とのこと。

入札販売会とは何?と思われる方多いと思います。
お茶業界は、夏にその年のお茶を茶種別に審査をし、お茶に順番を付けて行きます。互いの栽培製茶技術を競う品評会で、各地域のお茶の品質向上への貢献は元より将来への技術の伝承と維持に大きな役割を果たす会なのです。その範囲は、地域ごと、全国と様々ですが、関東ブロックはその中でも有名な大きい品評会のひとつです。

順位が決まったお茶は、秋に入札会をして、あちこち販売されていきます。その入札会が、本日埼玉県農林総合研究センターで開催されているのです。お誘いいただいた茶園さんは入札にいくとのことで、もしよろしければ見学に来ませんか?とお誘いがあった次第です。品評会クラスのお茶は、平均的にレベルの高いお茶が集まるということで、良いもの知らずして物は語れずと思いお邪魔させていただきました。


入札販売会は、埼玉県入間市で行われます。私の家からは池袋駅から西武池袋線で入間市駅へ。
電車に揺られること約40分。ついに入間市駅に到着。普段は来ない駅なので新鮮です。

入間市駅



入間市駅から車で15分程度の場所なのですが、途中でちょっと寄り道をし、入間市の茶畑を記念撮影。写真では伝わりづらいかもしれませんが、360度茶畑が広がり車で走っても走っても先には茶畑が広がっています。所沢含めてこの辺りのお茶は全て狭山茶として取引されるそうです。

入間市の茶畑


入間の茶畑



そんな中会場である埼玉県農林総合研究センターに到着。センターの敷地内にも茶畑があり、これは美味しい淹れ方や様々な試験につかうために多くの品種を現地で育てているとのこと。またこういったものがあるのは埼玉、静岡、鹿児島のみということです。

埼玉県農林総合研究センター


埼玉県農林総合研究センターの茶畑



まず、待合室で時間がくるまで待機です。皆さんこれから入札するとあって、何となく重々しい空気でした。待合室には様々な資料があり、狭山茶として色々な取り組みがされているようです。また待合室には検茶で使われる器具や参考品として展示されているものが多くお茶の歴史の奥深さを感じます。

狭山のお茶の資料


検茶で使われる器具や参考品


検茶で使われる器具や参考品



そして10時より入札が開始。
入札販売会の会場にはお茶がズラリと並んで、人がとても多いです。皆さん一つひとつ手に取って見た目や香りを確認。この段階では淹れることはしないで茶葉の状態だけで確認されていました。

入札の風景


入札の風景



お茶は「荒茶普通煎茶」、「荒茶深蒸し煎茶」、「仕上茶普通煎茶」と、茶種に分かれて順位付けされたものが並んでおります。評価のポイントは、外観、水色、香気、滋味の4点で計200満点。一番評価が高かったお茶が優秀賞として農林水産大臣賞の名前を頂き、このクラスのお茶だと1キロ5万円から20万円の間で取引されるとのこと。さらに手揉み茶だと100万相当にもなるようで、普段スーパーで買って飲んでいるいるお茶と比較するととんでもない価格です。 ちなみに私もこの農林水産大臣賞のお茶を触らせていただきました。茶葉がまっすぐで色が良くツヤもあり綺麗な茶葉でした。

農林水産大臣賞のお茶



今回ご案内いただいている茶園さんは、かれこれ1時間ちょっと品定めをして、各お茶の番号が書いてある封筒に入札価格を書いた用紙を入れておりました。 入札時間がお昼過ぎまであるため、先に退場。結果はインターネット上で確認できるとのことです。



その後せっかくなので、入間市博物館へ。
入間市博物館は常設展としてお茶についての展示を行っています。また、入間市博物館に入る前に、博物館前にある「レストラン・喫茶 茶屋町一煎」へ。ここはお茶料理を提供しており、「茶を食す」をコンセプトにしている GREEN TEA RESTAURANT1899 OCHANOMIZUのためにもランチを兼ねて食事してきました。

レストラン・喫茶 茶屋町一煎



頼んだお膳は全9品で抹茶を使った揚げ出し豆腐や、お茶葉の佃煮、お茶のコロッケなど大変参考になるお料理がありました。味ももちろん美味しくホッとするひととき。お茶も水出しの狭山茶を出していただき、お茶の地域であることを実感。お茶が地域に根付いているんですね。

レストラン・喫茶 茶屋町一煎の御膳



ちなみに、こちらの木の写真は食事をした「一煎」と入間市博物館の間にあったもので、お茶の木です。 このお茶の木は「さやまかおり」という名前。昭和46年に埼玉県茶業試験場の育成で、耐寒性があり霜害などに対する回復力が強く、収量も多い木だそうです。寒冷地にも適し、香気に特徴があるもので名前は埼玉産であることから命名されています。

お茶の木(さやまかおり)



剪定しないとどんどん大きくなるらしく、お茶の実も付いており私は初めて見ました。またツバキ科のお茶は、小さなツバキのようなお茶の葉を咲かせておりました。お茶の木は、葉を摘まないと花が咲き、それが一年かけて実になるそうです。花は9月末から11月に咲くということでタイミングも良く幸運でした。このお茶の花は乾燥させてお茶とブレンドして飲むとダイエット効果もあるということ。さらにお茶の実は圧搾すると茶油が取れるということ(ただひとつの実で一滴程度)。GREEN TEA RESTAURANT1899 OCHANOMIZUでもサラダ油に煎茶を浸して作った自家製の茶油を使っていますが、これが本当の茶油なんですね。お茶の世界はまだまだ知らないことが多いと痛感させられました。

お茶の花



入間市博物館では、世界各地の紅茶も含むお茶を紹介しており、世界中で親しまれているお茶の世界の中での日本、そして狭山のお茶の位置づけなども大変勉強になりました。

入間市博物館



今回の視察での感想としては、入間市はお茶の街であり、お茶畑が広く広がっている風景が印象的でした。街作りにあたり、垣根としてお茶の木を使ったり、他の畑との境でお茶の木を使うなどの使われ方もしています。

また入札会で拝見したお茶はどれも素晴らしかったのですが、特に驚いたのは深蒸し茶の色が茶色(黄色?)が強いものが良いお茶として選定されていたことです。水色(すいしょく)も茶色(黄色)になるとのこと。一般に流通しているのは緑色のものが多いとのことですが、その理由は美味しい深蒸し茶でも、水色(すいしょく)が茶色(黄色)になると良いイメージを持たれないためということ。ゆえに品評会だと好評価を得るのですが、一般だと安くなってしまうとのこと。
…なんか難しい世界です。


今日の視察でまたまたお茶の奥深さの迷宮に迷いこんだ感じがします。
知らないことが多すぎて、勉強することも多すぎます。
もっともっとお茶の現場を見てみたいと感じた一日でした。

またこの場をお借りして、まだまだ素人の私を本日ご丁寧にご案内いただいた宮野様に御礼申し上げます。現場へ足を運ぶ大切さ、大変勉強になった一日です。


2014年9月25日
GREEN TEA RESTAURANT1899 OCHANOMIZU
マネージャー 宮地